信ずることと考えること:小林秀雄講演
はい。最近経済思想について勉強しております。
その中で故小林秀雄の講演を聞いて思うところがあったのでレビュー。「若いっていいな」系ですw
新潮社
売り上げランキング: 3193

ドグマの中にいるものは、ドグマを知ることはない・・
現代日本人の論語
賢人の講話、感動します
面白いですよ。
そうすると人間は、集団的になるんです 会がほしくなるんです 自分でペンを操ることが、信じられなくなるからペンクラブがほしくなるんです ペンクラブは、自分流に信じることはできないです クラブ流に信じるんです んなこたないですよ クラブ流に信ずるからイデオロギーってもんがあるんじゃないか そうだろ?自分流に信じないからイデオロギーってもんが幅をきかせるんです だからイデオロギーは匿名ですよ常に 責任をとりませんよ
» 信ずることと考えること-小林秀雄 – MP3 Music Streams on IMEEM
私の解釈としては、「日本人は集団になりたがる。そして自分の言論に責任を持たなくなる。私は自分で考える。そして責任も取る。」ということです。
この思想は、特に現代の日本においては非常に重要だと思うのです。
先ほどはてぶで読んだ、【正論】慶応大学教授・阿川尚之 「マスコミの常識」は非常識 による、マスコミの非常識的な取材・報道活動にもつながるのではないかと。
これも個ではなく、集団に属す事で、一種の責任転嫁が起きていると考えます。いわゆる集団真理。
また、小林秀雄はインテリ:知識人を痛烈に批判しています。公園の中でおもしろい言い回しで、
「科学は精神を狭めることで発達したんですよ。行動は発達したが人間の精神は荒廃に瀕している。ノイローゼ患者はいっぱいいる。まあ、ノイローゼというレッテルを貼れば不思議がない。現在の知識人は、自分の意識ってものに非常に傲慢。近頃の研究によるとね、ちょっと違ったノイローゼらしいよって言う。話がそれで終わっちゃう。」
ようは、物事の本質ではなく、知識から引っ張ってきたことをひけらかすようになっていると。科学の奴隷になって、精神は全く発達していない、と。
でもこういう人、今の時代でも多いですよね(自分含めてかもしれない)。就活においても有名企業ばかり受ける人もこのような類なのではないでしょうか。自分で考えることを止めて、集団が選んだ企業を選択する。そうすれば自分自身は間違いが無いし、責任も無い(気がする)。
————
さて、このような現状で、私は何をすべきか。やはり、今の日本では精神の成長が必要だと考えます。
では具体的に何かというと、私の結論としては、新たな経済思想を確立することにあると考えました。
今日の日本は有力な宗教も思想も存在せず、ある意味個々人で異なってくる「常識」というものを中心に倫理観が成り立っているように思えますが、ただそれはあまりにも曖昧で、かつ常に変化していくものです。
そんな日本人としての軸がないまま、アメリカの経済思想、近代資本主義を無批判に取り込むことで今大きなひずみが生じ始めているのではないかと思うのです。
そのために日本人に見合った、共通の価値観というものを流し込む必要があるのではないか、と。
もちろん価値観を押し付けるのではいけなくて、我々が必要だと思い、気持ちよく吸収することの出来る共通経済思想というものがあったら、結構多くの問題が解決するのではなかろうか。
そういう意味で宗教というものがどのように発達、普及していったかが参考になります。
そこで下記の文献は非常にオススメです。後日レビュー。読み物としても面白いですよ。
キーワード
○日本人は労働そのものを悟りのための修行と捉えている。
光文社
売り上げランキング: 191340

日本の経済とおまけに政治まで判ってくる
ホームアローン(映画)の別の面が見える