Archive

Author Archive

DropboxのYCombinator応募フォームに見るハッカー達の起業感

5月 30th, 2010

以前、@hrjn がtwitterで言及していたのですが、2007年夏のDropbox創業者:Drew Houston(当時24歳)のYCombinatorに応募するときの応募フォームが公開されていました。
読んでみると向こうのハッカー達の起業感がにじみ出てたので、気付きをまとめます。
個人的にDropboxは、自分が起業する場合のロールモデルかな~と思ったり。

» Y Combinator Funding Application – Dropbox

印象的な質問はこの5つ。

# Please tell us in one or two sentences something about each founder that shows a high level of ability.
(それぞれの創業者はどんなハイレベル能力を持っていますか?)
よく起業は、「何をするか?」よりも「誰とするか?」が重要だ、という話を聞きます。
もちろん「何をするのか?」も重要で、フォームの中でも1番目の質問はこの手の質問なのですが、2,3番目に創業メンバーに関する問いが続いている当たり、日本よりも細かく創業メンバーのスキル・人柄が見られている気がします。

# For founders who are hackers: what cool things have you built? (Include urls if possible.)
(創業者にハッカーがいたら、彼はどんなクールなモノを今までに作りましたか?)
生粋のハッカーであるPaul Grahamが創立したYCombinator”らしさ”が出る質問。
これ対してDrewの答えがまたSVチックw

Programming since age 5; startups since age 14;
(5歳の時のプログラミングを初めて、14歳のときに起業した。)

# How long will it take before you have a prototype? A beta? A version you can charge for?
(プロトタイプを作るまでにどのくらいの期間がかかりましたか?)
Paul Grahamは、サービスを作るときは3ヵ月で作れ、と言っていますが、スタートアップはスピード感が命。
個人的にも、ほとんどのサービスはそんなに時間かけずに出来てしまう印象があって、一つのことにフォーカスできるエネルギーが起業には最も重要なのかも。
Dropboxのプロトタイプは、別の会社で働きながらも8週間でできたそうです。

ちなみに伊藤譲一は1ヶ月半で作れ、と言っていたようなw

# Which companies would be most likely to buy you?
(もしあなたの会社を買収するとしたらどの会社?)
# If one wanted to buy you three months in (August 2007), what’s the lowest offer you’d take?
(もし3ヵ月以内で買い手が現れたら、最低いくらで応じますか?)
これは向こうならではの問いですよね。
M&Aマーケットが盛んなシリコンバレーでは、Exitとしてバイアウトは自然に出てくる発想。
日本では中々難しい選択肢ですが、グローバルに打って出る!という気概のある日本のテクノロジーベンチャーであれば、むしろバイアウト狙いの方が現実的な選択肢のような気がします。

そして、Drewの解答の中にも面白いセンテンスがいくつか。

My friend and roommate (redacted) from MIT is helping out too, but he works with me at Bit9, and a non-solicit clause in my employment contract prevents me from recruiting him (and the VP Eng explicitly told me not to recruit him.)
(私のMITからの友人とルームメイトも助けてくれていて、彼は今Bit9で私と働いていますが、私と会社との雇用契約から彼を雇うことができません。)

契約で引き抜きとかが禁止されているんですね。
起業が盛んなシリコンバレーでは当然なのでしょうか。(あるいは、ただの雇用契約をきっちり決めるという向こうのやり方なのか。)

In any case, I have several leads, have been networking aggressively, and fully intend to get someone else on board — either another good hacker or a more sales-oriented guy (e.g. the role Matt fills at Xobni). I’m aware that the odds aren’t good for single founders, and would rather work with other people anyway.
(とにかく、積極的にネットワークを広げて、他の人に加わってほしいと思っています。できれば優秀なハッカーかビジネス系の人(XobniのMattのような)が。私は一人で起業することは不利だと思っており、とにもかくにも他の人と一緒に創業したい。)

私も一人で起業するよりも、数人で役割分担しながら起業した方が良い気がします。
もちろん他のメンツが入れ替わっても一人でもやりぬく、という強靭な意志も必要ですが、互いに切磋琢磨でき、質の高いモノを作るための議論が行え、何より気の合う仲間と働くのは楽しい。

Paul Grahamも下記3つの理由からSingle Founderは勧めていません。
・自信の無さの表れだから。自信があるなら他の人を巻き込みなさい。
・一人で会社を運営するのは大変だし、自分の判断をチェックできるシステムが無い。
・結束力が起業を強くする。
» The 18 Mistakes Than Kill Startups

ちょくちょく向こうの起業家話を聞いたり、読んだりするとテンションが上がります。
下のFacebookの本もすげー生々しくて面白かったです。

8maki proposal, シリコンバレー, ベンチャー ,

Web系企業の従業員一人当たり売上高ランキング

5月 25th, 2010

最近、「小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則」という本で話題の、37signalsのブログで、Web系ハイテク企業の従業員一人当たりの売上高ランキングを出していました。

rev_emp_graph

» Ranking tech companies by revenue per employee – (37signals)

The Calacanis/DHH discussion touched on the idea that web companies should pay more attention to unique visitors per employee. The theory: That ratio forces you to get away from talking sheer size/traffic and instead focus on efficiency.

この記事で、Web企業はもっと従業員一人当たりのユニークユーザー数に注意を払うべきだ、という提案がされています。
はじめはAlexaのランキング順位で比較していたみたいですが、AmazonとGoogleのトラフィックはそもそも中身が異なるということで、年間売上を比較していました。

よく自分の給料の4倍は稼げ、と言われたりしますが、Craigslistは神としても、一人当たり1億円くらい稼いでいるGoogleやAmazon、Facebookは非常に効率のよい体質なのが分かります。

では、日本企業はどうなのか?

日本企業は事業効率が悪いという印象があったのですが、実際のところどうなのか、同じ指標を用いて調べてみました。

日本のWeb企業の従業員一人当たり売上高ランキング

revenue-rank

No. 企業名 従業員数(人) 売上高(百万円) 一人当たり売上高(百万円)
1 グリー(株) 118 13,945 118.17
2 (株)ディー・エヌ・エー 442 39,030 88.30
3 (株)CHINTAI 108 9,244 85.59
4 ヤフー(株) 3,560 250,240 70.29
5 (株)ザッパラス 149 9,612 64.51
6 (株)ファンコミュニケーションズ 129 8,016 62.13
7 (株)一休 47 2,790 59.36
8 (株)サイバーエージェント 760 42,442 55.84
9 (株)ミクシィ 247 13,600 55.06
10 (株)カカクコム 229 12,067 52.69
13 楽天(株) 2,625 113,555 43.25
19 クックパッド(株) 58 1,083 18.67

(売上高や従業員数はYahoo!ファイナンスから抜粋)

時価総額が100億円を超えるWeb系企業の、従業員一人当たりの売上高ランキングをグラフ化しました。
(理想的には営業利益で比較すべきですが、上記米国企業と比較するために売上高でランキングをしています。)

示唆

・グリー、DeNA当たりは、最近のびっくり決算から見ても当然のように思えたが、意外にヤフーが健闘、一休が少ない従業員ながら大手に引けを取らない売上を上げる良い企業体質っぽい。

・たまにGoogleが「一人当たり1億稼いでる!」というのをニュースやブログで目にするが、日本企業と比較してもそこまで非現実的な数値ではない。
(Googleのすごいところは、従業員が19,835人もいる、ということかもしれません。)

・向こうのYahoo!やebayと比較しても、圧倒的に日本企業が劣っているというわけではない。
もちろん業界の平均を比較してみないと結論は出ませんが、向こうのメジャーな企業と比較してもトントンな企業も多いというわけです。

・とは言え、Craigslistのような一人3億円稼ぐようなバケモノ企業は、今のところ日本には無い。
上場していない企業もあると思いますが、さすがに数十億稼いでいて従業員数が1桁、っていうのはあまり見たことがありません。
※ngi groupが従業員を8人としていることもあり、数値上そのような構造になっていましたが、売り上げの多くが投資から来ていそうな点と、一気に従業員を減らした点から例外だと思われます。

8maki survey, 企業 ,

今のiPadでできること・できないこと2

5月 20th, 2010

先日の記事、「今のiPadでできること・できないこと」が割と好評だったので、書き漏らしを追記します。

なんか半分以上、アプリの紹介になってしまいましたが・・・f^^;

画面の向き固定
デュアルディスプレイ化
日本の雑誌の購読
リモートデスクトップ/Linuxへのアクセス

画面の向きの固定

ipad2-hold

地味に知ってる人が少ない画面の向きの固定機能。
右側の側面に、音量調節スイッチの上にHOLDスイッチが付いてます。
iPhoneではHOLDができないため、寝転がると向きを変えてしまってすげー不便、と言う声は良く聞いていたのですが、iPadでは解決しています。

デュアルディスプレイ化

ipad2-dual

iPadをディスプレイとして使っちゃおうという使い方。
iDisplayというアプリを使えば、PCとWifiを通じて外部ディスプレイとして使うことができるようです。
Gizmodeで詳細なレビューがされています。
4月初旬段階ではまだまだバグが多いようですが、今ならもう直ってるかな?
あと、AirDisplayという拡張ディスプレイ用のアプリも、今週中くらいに登場予定。

日本の雑誌の購読

ipad2-maga

ちょうど昨日リリースされたマガストアというアプリが凄いです。
日本の雑誌をiPadでダウンロードして、読むことができます。
値段はだいたい、本誌の100円引きくらい。
AERA週刊NewsweekF1速報というマニアックな雑誌も扱っています。

中身はというと、雑誌のデータをまんま画像データとして入れた感じ。
見開きなどは見れませんが、いちいち本屋に行かずに買え、どこでも読むことができるので重宝しそうです。

リモートデスクトップ/Linuxへのアクセス

ipad2-remote

LogMeIn Ignitionというアプリを使えば、会社や家のPCのデスクトップにアクセスできるようになります。
¥3,500と割高ですが、かなり人気のアプリのようです。

また、iSSHというアプリは、LinuxへのSSH接続機能を提供しています。
これらを使えば、開発関連のタスクをすべてiPadで行うことができるようになるかもしれませんね。
もちろん、iPadのキータッチ入力だとプログラミングはしにくいので、BlueToothの外付けキーボードの接続をオススメしますが!

8maki IT, proposal, サービス

今のiPadでできること・できないこと

5月 17th, 2010

mixi日記には書きましたが、4/26~5/1まで、WWW2010という学会に参加するためにアメリカに行っておりました。
ついでながら、近くにApple Storeもあったため、iPadを何個か買ってきました。

一番初めに使った衝撃が、「ノートPCを持ち歩かなくて済む!」という印象でした。
ちょうど2週間くらい使ってみて、本当にノートPCの代替として使えるのか、現状何ができて何ができないのか、タスク内容に応じてまとめてみました。

※なお、画像は全てiPad本体でキャプチャしたものです。

タッチキー入力
メール/カレンダーチェック
Webブラウジング
本・雑誌・新聞
iPadアプリ
音声通話
カメラ
外部出力
その他

タッチキー入力

iPhoneみたいに結構めんどいのではないか?というのが、懸念として大きかったのですが、案外入力しやすいです。
というより、横に倒してキーボードを大きくすると、本当に普通のキーボードの8割くらいの速度で打てます。
縦の場合、持って両親指二本でタイプする感じですね。

ipad-key

メールを打ったり、メモを書いたりというときにはあまり不自由しません。
ただ、プログラミングといった細かい文章作業は難しいように思えます。
また、十字キーもないので、文章の途中選択、コピー&ペーストはiPhoneと同じくめんどい。。。

メール/カレンダーチェック

・メール
メールのリーダーもデフォルトで入ってるものがあります。
ローカルに保存したい(オフラインでも見たい)場合はこちら。

しかし個人的に、圧倒的にGmailをWebで見た方が使いやすい。
メールのスレッドもちゃんと折りたためたり、開いたりできますし。
メール操作はほとんど不満がありません。

ipad-mail

・カレンダー
こちらは逆に、Web版のGoogle CalendarのUIはクソでした。
なぜか、週での表示ができない。

カレンダーはiPad付属のカレンダーを使っています。
こちらのテクニック↓を使えば、複数のカレンダーを表示できます。
カレンダーも不満無し。
» iPadで複数のGoogleカレンダーを表示させる方法

ipad-cal

Webブラウジング

基本的に、普通のWebブラウザと変わらない感じです。
ただ、タブ(?)が9個までしか開かず、それ以上開こうとすると上書きされてしまうので注意が必要。
操作性、表示は全く問題ありません。
縦で表示するといくらか縮小されますが、横で表示するとほとんどのサイトが等倍で表示されます。

ipad-safari

また、PCで見ていて「あとで読む」記事をiPadに送る、という操作も便利です。
Evernoteでそういうプロセスがあるそうですが、完全にオフラインの状態だと中々開かなかったりしてちょっと不満。
そこで私は、pdfdownloadというサイトで、指定のサイトをPDF化してiPadに入れています。
結構めんどいっちゃめんどいですが、じっくり読めるので長文ブログやニュースは全部PDFに落としています。

本・雑誌・新聞

iBookやKindleアプリを使って、英語の本は基本的に読めます。
PDF化した本も、PDFリーダーアプリを使って読むことができます。
また、Wall Street JournalやTime、New York Timesなど、メジャーなアメリカの雑誌も購読することができます。

日本の場合、i文庫というアプリを使って青空文庫という、著作権切れの本を自由に読むことができます。
日本の雑誌はまだ見たことがありませんが、新聞では、産経新聞がiPhoneアプリを出ていて、それを2倍拡大することで結構読みやすくなっています。
追記: 日本の雑誌も読めるようになりました。 » 今のiPadでできること・できないこと2

ipad-mag

iPadアプリ

現状あまり良質なアプリがあるとは言えない状況です。
電子書籍(雑誌)、ゲーム、メモ帳(手書き可能)などがやはり主流となっています。

また、ややこしいことに、iPadアプリをiTunes経由で見るには米国アカウントが必要で、さらに米国アカウントだとクレジットカードを登録できないため、米国でしか見れない有料アプリは買えない状態です。
例えば、各ドキュメントアプリのKeynoteやNumbers(Excelのような表計算アプリ)も米国でしか見れないため、落とせない。。。
ただ、普通の有料アプリは、日本のアカウントでも検索してダウンロードすることができるので、重宝しています。
この問題は、日本発売と同時に解決されることでしょう。

こちらのサイトから、各カテゴリ毎のアプリランキングを見ることができます。
» iPadアプリのカテゴリ別ランキングリスト – もとまか日記

音声通話

iPadには電話機能は付いていませんが、マイクとスピーカーが内蔵されているので、Skypeアプリ(iPhoneアプリ)を使えば不自由なく音声通話も行えます。
この際なので、Skypeのクレジットも買ってしまいました。
20円/分くらいで携帯電話にも通話ができます。
ただ注意が必要なのが、3G回線ではSkypeは使えないようです。

» Skype – Skype 日本語ブログ – Skype for iPhoneの3G通話対応について

カメラ

標準装備はされていません。
なんか上部にMacBookと同じタイプのカメラっぽいのが付いているんですが・・・
いずれファームウェアかなんかがUpdateされると使えるようになるのか?
追記: 輝度センサーらしいとのこと。

ちなみに、Camera for iPadというアプリを使えば、iPhoneで取った写真・動画を無線経由でiPadに表示する、ということはできるみたいです。

外部出力

iPadのオプションツールとして、VGAアダプタがあります。
要はiPad内のコンテンツを、出力するために必要なコネクタです。
ただ、出力には注意が必要。
基本的に表示できるコンテンツは、以下に限られるようです。

 ・ビデオ、Youtube、Safariで表示しているビデオ
 ・写真(スライドショー)
 ・Keynote
 ・Safari上のWebページ(アプリ使用)

» iPad:iPad Dock Connector – VGA アダプタの互換性について

その他

・ドキュメント編集:
OfficeのWord、Excel、Powerpointのようなアプリを、AppleがPages、Numbers、Keynoteというアプリで、それぞれ$10くらいで販売しています。
ただ、アカウントの問題からまだ購入できていません。
Google Docsは問題なく扱えます。

・印刷
デフォルトの機能としては、まだ無いようです。
下記記事を見るといずれ実装されるみたいですが・・・
とは言え、ネットワーク経由で印刷できるアプリはいくつかあるみたいです。
» アップルのS・ジョブズ氏、「iPad」への印刷機能実装を肯定か–米報道

・ラジオ
radikoというiPhone用のアプリを使って、FMラジオも聞くことができます。
バックグラウンドでの再生もできて便利。(Safariのストリーミングページを立ち上げる)

まだまだ未知数なところが多いiPad。
日本発売が楽しみですね。

続きを書きました→今のiPadでできること・できないこと2

8maki IT, proposal, サービス

Google Visualization APIがGoogle Chart Toolsとしてリニューアルしてた

2月 17th, 2010

パラパラとData Visualization系のライブラリを見てたら、いつの間にかGoogle Visualization APIとGoogle Chart APIが統合してGoogle Chart Toolsなる一つのAPIに統合されていました。

その中でも、QRコードや数式、動的なアイコン生成など、画像を生成するモノはThe Chart API
Motion ChartやインタラクティブなグラフなどJavascriptやFlashを使うモノはThe Visualization API
という棲み分けがなされているようです。

Dynamic Icons (Image API)

Image APIでは、Dynamic Iconsなる機能が追加されていました。

DynamicIconこんな感じの画像をこういうソースで呼び出すことができるようです。

chst=d_bubble_icon_text_big
chld=
snack|
bb|
$2.99+!|
FFBB00|
000000

Visualization Gadget | Data Source (Visualization API)

主にVisualization APIについてですが、Visualization GadgetとしてGoogle Doc等で使えたり、Visualization用にデータを配信するData Source Toolも同時に配布されています。
ちょっと色々な機能を包含していて全体像が把握しきれなかったので、図にまとめました。

OverviewGoogleChartTools

Data Sourceに関して、ちょっと何なのか良く分からなかったのですが、どうやら、ほぼほぼGoogle Server Side Data Source Java Libraryのことを指しているようです。Java LibraryではTomcatを用いてデータを公開している模様。(Javaに限らずPythonやPHP版などもありますが)

これはWebサービス運営者など、データを持つユーザーが、サーバー側でVisualization用にデータを配信するライブラリみたいです。SQLを用いてローカルのDBにアクセスしたり、データをJSON形式やCSV形式や他に様々なスタイルのデータ型に変換して出力したり、Visualization用データを生成する様々なツールが提供されています。

また、Google DocsのSpread Sheetからデータを取得できるのも特徴的ですね。Data Sourceに関してはこのムービーが詳しいです。

Visualizationに着目すると、Motion Chartや、A Magic TableAnnotated Time Lineが珍しいですね。

8maki Web, survey, テクノロジー , ,

【書評】シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則

2月 15th, 2010

以前、とある勉強会でお会いした、東大の「無駄学」で有名な西成先生から新書の献本をいただいたので、読んだ感想を書かせていただきます。

『シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則』

流体力学を学び渋滞学を研究されている西成先生ならでは、仕事のライフハック的なことを「流れ」で説明しようという感じの本でした。
章立ては以下。

  1. 個人の渋滞、解消します!
  2. 部内の渋滞、解消します!
  3. 社内の渋滞、解消します!

正直申し上げると、2章までは普通のことを渋滞学という切り口で書いているだけで、あまり面白さを感じませんでした。
普段からライフハックやら啓蒙本やら読んでる人には物足りないかも。

ただ、3章は別です。

会社組織をどう円滑に運営していくか、というのが題目なのですが、西成先生個人のお話を中心に書かれています。

東大で順調に研究生活を送り、トップジャーナルに載ったにもかかわらず就職口もなく、ストレスで顔面マヒ、運よく滑り込んだ山形大でも予算が無くて発表が年2回くらいしかできない。そんな中、社会とつながる自分独自の研究領域を発見し、東大に戻った後、ケルン大学の一年研究留学する機会をもらい、そこで一生の研究仲間と出会った。

要約するとこんな感じなのですが、テレビに出たり本を出したり社会的な研究者のパラダイム転換を垣間見ることができる貴重なエピソードでした。
バリバリ研究一筋で研究室から出ない研究者のキャリアは読んだりするのですが、実際仕事が経営コンサルみたいな研究者の方の生き様はとても新鮮でした。

「複雑系」に対する全体視野アプローチ

3章の最後には組織の話というよりかは、「複雑系」の話が中心になっていました。
いや、組織も複雑系における個の集合という点で同じ。

そのときに取られる物理学ならではの通常のアプローチというのは・・・・「対象を単純な要素に還元して、モデル化してそのモデルを解くことによって、対象を理解する」という方向でしょう。

生き物については、部分の単なる総和は全体にはならないわけです。物理的にいえば、部分と部分が相互作用をしているから、全体は部分の総和にはならないのです。
だから、「相互作用をしていない要素」「要素と要素の相互関係がかなり弱くなるところ」まで全体をうまく分割できれば、そうした要素のみをあつかっても、全体を理解することができるのではないか?

要素単位を変更させながらも、全体の因果関係を理解するために挑戦してゆく。

単に部分に分割するのではなく、その因果関係に着目して全体の「流れ」を知る。
渋滞学ならではの観点ですね。

複雑系において全体から物事を見ることの大切はよく説かれますが、新しい西成先生なりのアプローチを提案されて妙に腑に落ちた気がしました。

8maki survey, 書評 ,

グラフだけじゃない、Data Visualizationフレームワーク集

1月 19th, 2010

(8 free Data Visualization frameworks not only for charts [en])

相変わらずData Visualization関係で調査・開発を行っているのですが、その中でJavascriptのライブラリ・フレームワークを探す時間も多いです。

» 20 Fresh JavaScript Data Visualization Libraries

上記記事のようにまとめ記事が結構あって助かるのですが、ほとんどがCharts(グラフ)のライブラリなんですよね。Chartsも線グラフか、棒グラフか、円グラフか、、、みたいにライブラリ化される主要なグラフは8種類くらいしかなく、面白くない。
適切なデータに対して適切なVisualを関連付けるわけですから、もっと多くのVisualが考えられてもいいはず!

そこでChartsに限らない、もっと根本的にData Visualizationを扱っている有名どころのフレームワークをリストアップしてみました。

SIMILE Widgets Exhibit

dv-js-library-simile

MITのメディアラボがリリースしているFaceted Search用フレームワークです。HTMLを拡張したテンプレート言語を用いて、簡単にFaceted Searchと、検索結果のリッチなVisualizeを可能にしています。現在、リスト、テーブル、地図、Timeline、TimeplotといったVisualに対応しています。タブなどでVisualを切り替えられるので、ユーザーの目的にマッチした検索機能を提供することができます。

SIMILE Widgetsでは、他にもTimelineや、TimeplotRunway(Coverflow)などのVisualもAPIとして個別に提供しています。

» SIMILE Widgets Exhibit – US President Search DEMO

ProtoVis

dv-js-library-protovis

ProtoVisはStanfordのVisualizationフレームワークです。これは巷のライブラリと違い、グラフや地図、といった単位を1つの単位として扱わず、線や面、点といったもっと細かい部品単位でVisualを作成しています。どちらかというとProcessing.jsに近いかも。たくさんのDEMOが載っているので、それらを参考にかなり自由度の高いVisualを作成することができます。

» ProtoVis DEMO

Prefuse Flare (Flash)

dv-js-library-prefuse

Prefuse FlareもData Visualizationのフレームワークとして有名です。Prefuseは、Javaのフレームワークでしたが、今回Flashに対応しました。こちらも豊富なVisualを用意しており、SIMILE同様データ構造をしっかり設計しているので柔軟性が高く、Visualの切り替えや様々なVisualを拡張することができるようになっています。

また、Flashならでわの気持ちのいいインタラクションも高評価です。

» Flare DEMO

Style Chart

dv-js-library-style-charts

こちらは、javascriptでVisualのリクエストを投げるとサーバー側で画像を生成し、それを表示するというフレームワークです。Galleryを見る限りかなり豊富なVisualを扱えるようです。画像だからってアニメーションやアクションが行えないわけではなく、そこにもちゃんと対応しています。扱っているライブラリが少ない、レーダーチャート(スパイダーチャート)も用意している点がいいです。

» Style Chart Editor(DEMO)
» Style Chart Gallery

CanViz

dv-js-library-canviz

有名なVisualizationフレームワークであるGraphvizのJavascript版です。主にグラフ構造のデータを描画するのに適しています。ただ、DEMOを見る限り、アニメーションやイベントの設定ができないようで、本当にVisualizeのためだけのフレームワークのようです。

» CanViz DEMO

Axiis (Flex)

dv-js-library-axiis

こちらはAdobe FlexのVisualizationフレームワークです。インタラクティブなアクションがかなりリッチに作りこまれています。下記のBrowser Statisticsは一部で話題になりましたね。かなり自由度の高いフレームワークのようです。

» Axiis – Browser Statistics DEMO

Infovis

dv-js-library-infovis

こちらもグラフ構造のデータ描画ライブラリとして有名です。フレームワークではないので個別のVisualを利用する形になります。グラフ構造しか扱えないのですが、この手のライブラリとしては珍しく、Weighted Graph(ノード間のパスに重みが付いている)/Directed Graph(パスに方向がある)、の描画にも対応しています。現時点で5種類のグラフ系、ツリー系のVisualがありますが、どれもよくできています。

» Infovis DEMO

RGraph

番外ですが、HTML5用のグラフ生成ライブラリも登場しています。HTML5なのでまだまだ本格導入は難しいかもしれませんが、相当クオリティ高く仕上がっており、今後が楽しみなライブラリです。

» RGraph DEMO

8maki IT, proposal, survey, テクノロジー, デザイン , , ,

モノと関連データの関係性-Semantic Webによるスキーマ定義-

12月 13th, 2009

前回、モノをある切り口で捉え、それを適切な表現方法にあてはめて考えるアイディア出しスタイルと、モノの関連データにVisualizationをあてはめるというData Visualizationのスタイルは、脳の構造・プロセスが同じで、分かりやすいのではないか、という記事を書きました。

» アイディアの発想法とData Visualizationは同じ構造なのではないか?

そこで今回は、上記事で言及している”モノとその関連データ”とは何なのか、深く掘り下げてみたいと思います。

関連データとはプロパティである

「データから自動でVisualizationを行う」という取り組みの中で、どのようにデータを扱えばよいかという問いにぶちあたり、最近RDFおよびRDF Schema、Dublin Coreあたりを調べています。

RDF とは、主語・述語(プロパティ)・目的語(値)という3要素を用いてデータの関係性を表現するWeb上の枠組みのことです。例えば、「New Yorkの略語はNYである。」という例文は下記のようなXMLで表現されます。

<rdf:RDF
 xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
 xmlns:dcterms="http://purl.org/dc/terms/alternative">
  <rdf:Description rdf:about="urn:states:New%20York">
    <dcterms:alternative>NY</dcterms:alternative>
  </rdf:Description>
</rdf:RDF>

この例で、主語・述語・目的語はこのような意味になります。↓
主語: New York というモノが存在し、
目的語: NY という関連データがあり、
述語: 略語 という主語と関連データの関連性を意味している。

これだけだとちょっと分かりにくいかもしれませんが、表は、基本的に主語・述語・目的語の構造に落とすことができます。下記は宇多田ヒカルのWikipedia Infoboxの例です。「宇多田ヒカルの出生名は宇多田光である」ということを表しています。

utada

この構造は、前回の記事で示した、モノ⇔関連データ⇔Visualizationの構造に合致しています。

ここの述語、要はプロパティの部分とVisualizationをうまくひもづけるルールを定義できたら、「扱うデータからVisualizationを発想する」ことができるのではないでしょうか。さらに言えば、ルールさえしっかりしていれば、データとプロパティさえ定義すると自動でユーザーが求めるVisualizationを生成することができるようになります。

規格化されたプロパティの定義

ただ、適切なプロパティと適切なVisualizationをひもづけるには、プロパティの規格化が必要です。色々な人が、バラバラのプロパティ名を用いたり、統一化されていないカテゴリをプロパティとして付与したりすると、自動化が非常に困難になります。

そこでRDFでは、Dublin Coreというメタデータ記述語彙集を用いることが推奨されています。Dublin Coreには、TitleやCreatorといった15の基本要素と呼ばれるプロパティ候補があり、これらを用いることで、情報に共通化されたメタデータ、プロパティを付与することができるようになります。

さらにこれを細分化したDCMI Metadata Termsというものも存在します。DCMI Metadata Termsでは、50個以上のプロパティが定義されています。 先程の「略語」という述語(プロパティ)は、DCMI Metadata Termsのdcterms:alternativeというプロパティに置き換えることができます。

考察

このようにWeb上でデータを構造化する動きは、Semantic Webという流れの一つです。Semantic Webとは、コンピュータが理解できるように、Web上の情報に意味を付与しよう、というプロジェクトです。Data Visualizationで扱うデータをSemantic Webに合わせて構造化する方法は、現状は、割と有効だと思われます。

ただ、Semantic Webは分かりにくい上に考え方が古いので、中々浸透していません。Data Visualizationを主軸に考える場合、もっと別なデータの構造化・規格化手法を考える余地は大いにあるとは思います。

参考

こちらに、Semantic Webの概念図が載っています。コンテンツにメタデータの付与→メタデータの語彙規格化→語彙の意味把握(Ontology)→論理式を用いて結論を導く(Rules,Logic Framework)→結論の証明(Proof) という流れはいい線いっている気がしますが、先は長そうですね。

8maki IT, proposal, survey, テクノロジー, デザイン , , ,

アイディアの発想法とData Visualizationは同じ構造なのではないか?

11月 30th, 2009

(Data Visualization is the same as how to organize ideas [en])

先日、元サイボウズでアメリカでLUNARRを立ち上げられた高須賀さんにお会いしました。そこで、最近研究している Data Visualization について発想が沸いたので書き残します。各データの種類(スキーマ)から自動で適切な Visualization 方法を選択して表現する、という研究です。

高須賀さんのお話

「アイディアをひねり出すとき、いきなりすごいアイディアを考えるよりも、切り口を見つけてそこから発展させた方がいい。アイディアと切り口のバランスが取れた位置が一番エネルギーがある。」ものすごく簡単にまとめるとこういうお話でした。

つまり、ものごとを構造化してとらえ、ツールを使って着想を得た方がアイディアを出しやすい、ということ。

例: 新しいレーザーを考える。レーザーは点であり直進する。点の反対は面で、直進の反対は曲がる。これらを2次元グラフにプロットし、各象限に何が当てはまるか頭をひねる。面・曲がるという象限、つまりどこにおいても光を反射させ、面に映し出すという切り口から、スクリーンの前に置かなくてもよいプロジェクターというアイディアが生まれた。

このとき、切り口からアイディアをひねるために用いたツールが、高須賀さん曰く2×2というもの。要は2軸ある2次元グラフで昔私もマトリックスとも呼んでいました。構造化してアイディアを得る・まとめる方法は以下の高須賀さんの記事が分かりやすいです。

» 事業を考える切り口 – Toru Takasuka の起業・経営ブログ

» 新しい concept のはじまり – Toru Takasuka の起業・経営ブログ

松岡正剛の編集学校で教える編集術

こういった発想の訓練、実は以前にも受けたことがありました。松岡正剛の編集学校で体験授業です。

割と戦略コンサルのケーススタディ訓練に似ているのですが、MECEに限らず、もっと自由に発想する、ということが目的で楽しかったのを覚えています。そこでいただいたパンフレットに、6個のツールが載っていました。

edit1

1. Combination (一種合成型)
2つのものを合成して新しいアイディアを生み出す。

2. Triple Jump (三間連結型)
ホップ・ステップ・ジャンプ型で発想を展開。大・中・小や過去・現在・未来などの切り口もあり。

3. Branching (二点分岐型)
一つのものを2つに展開。この例ではブランドを切り口に展開した。

4. Trinity (三位一体型)
三位一体型、3点セットで考える発想パターン。3Cなどが代表例かも。

5.1 All Around (二軸四方型1)
Branching型の枝が2つ増えて、四方へと分岐する発想法。

5.2 2×2 (二軸四方型2)
2軸を決めてそれぞれのマスに何が入るか考える。マトリックス型。

※英語は勝手に私が変換したものです。

edit2

Data Visualizationとの関係

さて、本題ですが、切り口をツールにあてはめアイディアを得るという発想法と、Data Visualization は、頭の中では同じ構造で処理しているのではないか?というのが今回のパラダイム・シフトでした。

edit3

どちらも「分かりやすく考える」「分かりやすく表現する」ということで、頭の使い方が非常によく似ているような気がします。Data Visualization というと Computer Science チックですが、何か考えを図にまとめるときのことを考えると分かりやすくて、まず扱う対象があって、それを一つの側面で切ったデータ群があり、それをどう Visualize するか?というのは、高須賀さんのおっしゃる構造的な思考と同じプロセスを踏むのではないでしょうか。

普通 Data Visualization を調べる場合、どういった Visualization があるのか、どうプログラミングで表現するのか、といったことに目が行きがちになります。オライリー本の”Visualizing Data“もアルゴリズム中心の本でした。

そこを、扱うデータから Visualization を発想するというパラダイムに変換することで、おもしろい表現ができるだけでなく、説得力のある Data Visualization 手法を考案できる気がしました。

参考までに、こちらの図↓は様々なチャートを目的別に一覧表示しています。チートシートとして使うと便利かも。

» Chart Suggestions – A Thought Starter

p.s.

オフィスにお邪魔した際、VentureBEATの勝屋さんもいらっしゃいました。Blogに写真を載せてさらにリンクまで張っていただきました。ありがとうございました!最強のコネクターと言われるだけのことあって、超人懐っこいでしたw

» 人のつながりは無限(∞)につながる – 勝屋久の日々是々

  • Ben Fry, 増井 俊之 (監訳), 加藤 慶彦
  • 定価 : ¥ 3,780
  • 発売日 : 2008/12/01
  • 出版社/メーカー : オライリージャパン
  • おすすめ度 : (6 reviews)
    可視化の一つの手段としてProcessingの概要を知りたい人に
    情報の可視化入門
    目からウロコが。。。
    日本人の本より読みやすい
    既存のマッシュアップAPIを使うのとは違ったWeb情報の楽しみ方

8maki IT, proposal, エンジニア , , ,

MicrosoftのChromeOSとは別のベクトルのウェブブラウズ体験「Pivot」

11月 20th, 2009

logo-pivot先程、こんなニュース記事を見つけました。巷ではChromeOSのリリースで賑わっていますが、Microsoftも隠れてこんなものをリリースしていたようです。

» マイクロソフトによるウェブ閲覧の新しい実験「Pivot」

 

「ウェブをばらばらのページの集まりとしてではなく、“くもの巣ようなウェブ”として閲覧する方法だ」というコンセプトのようですが、下記のムービーを見る限り、この3つ↓の部分が特徴的な、半ブラウザ・半検索エンジンみたいなアプリケーションという印象です。

  • 検索itemをグループ化(Collections)して、属性で絞り込んだり、ソートできたりするファセット検索
  • ローカル・Webの境なく、透過的に検索itemを扱える(File、Webページ、画像、、、)
  • リッチなVisualization

» Learn More about Pivot | Microsoft Pivot

個人的に2:30くらいの部分で出てくる”Wikipdeia Collections”がツボりました。便利かどうかは使ってみないとわからないですが、こうやってWebを整理して閲覧する方向性は面白いと思います。

そこでグループ化が肝となってくるようですが、Pivotではそれを”Collections”と評していて、3つのタイプに分けてitemグループを扱っているようです。数学の集合に近いイメージ。

  • Simple Collections
  • Linked Collections
  • Dynamic Collections

pivot-collections

まあ、Windows Vista以上、.NET Framework 3.5、IE8がないと動かない点は、なんというか”Microsoft”っぽいですが。。。

ただ、HTML5も本格的に流行り出していますし、今後もブラウザとWebアプリケーションの境が曖昧なコンセプトが出てきそうで、中々おもしろい領域だと思います。ちなみに、近々2つのHTML5関連のイベントに参加予定です。

» HTML5 Tech Talk on November 2009

» HTML5 のご紹介@Opera

8maki Web, survey, テクノロジー , , , , ,