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政府系VC?「イノベーション創造機構」

11月 19th, 2008

先日、産学連携関連でお世話になっている方の同行で、経済産業省に行ってきました。

なんでも、イノベーションを促進するために、政府が出資するベンチャーキャピタルの創設を企画中とのこと。
現構想では、そのベンチャーキャピタルには民間のキャピタリストや起業成功者の方を招いて、ファンドを運用していくようです。

構想段階なので、様々な方の意見を聞いて、煮詰めていくということで、そのヒアリングの一環でお邪魔させていただきました。

そもそもそのファンドにふさわしいキャピタリストが日本にいるの?
これが全ての発端で、最後まで尾を引く議題でした。
それは量的にもそうですが、そもそもうまくいっているキャピタルの方が、わざわざ制約の多い政府の金で投資したがるかというと疑問、という集め方の問題もある、と。

シリコンバレーのように、投資対象を厳選し、さらに数社をじっくり面倒見るタイプのキャピタルの少ないこと。
もちろん非常に優秀なキャピタリストさんも独立系を中心にいらっしゃいますが、サラリーマンキャピタリストが多いのも事実。新卒でベンチャーキャピタルに行く友人の周りの内定者話を聞くとげんなりします。
もちろん後者でも投資センスが抜群によい方で結果を残されてる方の話も聞きますが、経営する側としては、突然の営業で来て自分よりも業界に詳しいわけではない人に信頼は置けるかというと疑問。
特に海外のベンチャーキャピタルをウォッチしている人にとっては・・・

また、プレーヤー自身も数が少ない。
大企業の援助をやめて、エンジニアがあぶれさせ、リスクを取って独立するようにするべきだ、という極論も飛び出しましたが、実際起業・独立される方の数が絶対的に少ない。
また、とりあえず社長になりたいという人が多く、本当にCEOにふさわしい人が経営をしている会社が少ない。参考:シリコンバレー訪問7:VC(日本人Founder)

さらにはプレーヤーの中でも初めからグローバル思考の人が少ない
経産省の担当の方は、先日までボストンにいらっしゃって、ボストン周りのスタートアップをめぐって鍛えられるMITのプログラムを見てこられたそうなのですが、日本人が一人もいなかったと。
世界中から応募が殺到しているのに・・・
日本の新興市場に上場するより、初めからNASDAQに上場しようと思うくらい必要なのでは?という意見も。

日本は上場が早すぎる。売上数億程度はシリコンバレーのベンチャーのseries B,Cクラス。
最近も相次いでベンチャーのIPOが発表されて、めでたい話ではありますが、上場しちゃうと黒字を出し続けなければならない。
適切なタイミングでもっと勝負できるようにしないと、本当のBigベンチャーは生まれないのでは?
という市場自体の問題も挙げられました。

と、ここまで話されてきて、分かり始めたのですが、
この本来ならseries B,C程度のベンチャーに、どんと数億、数十億投資できる”規模”の投資ができるキャピタルにしたい、
というのが「イノベーション創造機構」の狙いでした。

この発想自体は非常に共感できます。そもそも日本にはありませんでしたし。
けれども、こんなことできるキャピタリストが日本にいるの?
成功したキャピタリストでも2,3億以上で出資しているという話はほとんど聞きません・・・

結局ヒトの問題に戻ってしまい、本当に仕組みづくりが難しいプロジェクトだと実感。
その金で抜本的にヒトを教育する制度を見直す、支援する方が先かなと思いました。

ただ企画の部署が、投資担当の部署のようで、別の分野の企画をするというのも難しそうな印象を受けました。縦割り。

しかし、難しい難しい言ってても不毛なので、一つ案としてこれぞ!というキャピタルの人に10億1社ずつ投資させてみる、という実験を試してみるのもいいのではないか。
正直、ベンチャー界隈のことなんてやってみないとわからない、というのが事実だと思います。
(そこに投資されるお金は税金なんですけどね・・・そこのコンセンサスもやはり難しい。。。)

と、以上、ベンチャー環境の不満ばかり挙げてきましたが、その後、経産省の方と飲みに行った時の一言。

もっと若い人には反旗を翻して欲しいんだよ、俺は

この方は、学生運動でならした世代の方と良くお会いするそうで、確かに今の若者(自分含む)はおとなしくなった気もします。
逆に言えば、勝てない勝負はしない、スマートになったと言えるかもしれませんが、とはいえ社会に対する我々のメッセージが無さ過ぎるのではないか?

じゃあ、あまりにもおかしな定額給付金について、国会議事堂前でデモるか、とか考えてみましたが、ここはベンチャーに携わる者。
事業で既存のビジネス・体制を破壊する
これが最も重要な信念だと再認識しました。

【参考】
こちらの方が深くこのプロジェクトに関わっているようです。
参議院議員 田村耕太郎 公式ブログ // 政府系ファンド設立奮闘記

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